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こんにちは、肩関節機能研究会の佐藤です😊
(twitter→@masagaze、Instagram→@masafumi_s_)
今回は棘上筋と棘下筋の停止部を中心とした、解剖学的なお話をしていきたいと思います。
突然ですが、『棘上筋・棘下筋の特徴は?』と聞かれたら、皆さんはなにを思い浮かべますか?
私が臨床に出始めた新人の頃は、
といった程度の認識でした^^;
今回の記事では、
・棘上筋、棘下筋は上腕骨大結節に付着するんでしょ?
といった知識を、もう少し広い視野で見ていけるようになるよう意識してお伝えしていきたいと思います。
回旋筋腱板を構成する小円筋、肩甲下筋の記事はすでにありますので、気になる方はそちらもご覧ください😄
(小円筋・ 肩甲下筋 :小円筋の記事はサロン限定記事になります!)
それでは本題に入っていきましょう!
回旋筋腱板のおさらい
まずこちらは広義の肩関節になります。
もう少し細かく報告されることもありますが、おおまかにこのように分けることができます。そして今回お話する回旋筋腱板(Rotator cuff)は①肩甲上腕関節に大きく関与する筋になります。
この図は左肩を外側から見た図になっており、回旋筋腱板の停止部をまとめたものとなります。
棘上筋・棘下筋・小円筋は大結節に付着、肩甲下筋は小結節に付着しており、これらを見てみると上腕骨頭をグルっと包む様に位置していていることがわかりますね。
それでは回旋筋腱板の役割を考えてみると主に、支点形成・求心位保持の役割があることが考えられます。
サッカーで言うと、バランスを考え調整しながら働くボランチのような筋ですね😎
仮に腱板断裂による上腕骨頭の上方突き上げや、腱板筋を含めた軟部組織の伸張性低下に由来する骨頭変位などが起きると、
下の図のようにインピンジメント様の症状や、防御性収縮による疼痛など、さまざまな弊害が起こる可能性があるかと思います。
それでは回旋筋腱板の概要についてはこのくらいにして、
棘上筋・棘下筋について見ていきましょう!
棘上筋の構造
棘上筋は大きく分けて前方線維・後方線維の二つにわけられます。
主な作用は肩関節外転ですが、筋実質が小さく骨頭中心からの距離が短い(モーメントアームが小さい)ため、外転作用より支点形成としての役割が大きいと考えられています。
また、イラストからもわかる通り、前方線維は筋量が多く長く厚い腱性部(筋内腱)が存在し、
反対に後方線維は短く薄い腱性部(筋内腱)が存在すると報告されています。
これらの構造的な特徴から、前方線維の作用の方が大きいことが考えられます。
棘下筋の構造
棘下筋は横走線維と斜走線維の二つに分けられ、ともに外旋に作用します。
また走行の特徴から、横走線維は下垂位外旋、斜走線維は挙上位外旋で強く作用しやすいと考えられます、
構造的な特徴としては、
横走線維は厚い腱は見られず、薄い腱膜として斜走線維の腱に挿入され、
斜走線維は上半部に長く厚い腱性部が存在すると報告されています。
腱性部の役割から見ても、斜走線維に作用が集中しやすいことがわかるかと思います。
棘上筋・棘下筋の停止部
それではこの記事の本題とも言うべき内容についてです!😌
これが2007年以前までに考えられていた停止部になります。
棘上筋⇨上腕骨大結節の上面(superior facet)
棘下筋⇨上腕骨大結節の中面(middle facet)
しかし2008年に望月らによって報告された論文によって、今では新しい認識となっているのでご紹介させていただきます。
この報告では
棘下筋 : 大結節中面 ⇨ 大結節中面に加え、前面の後方まで付着
まとめ
①回旋筋腱板は上腕骨頭が肩甲骨関節窩から逸脱しないよう、・支点形成・求心位保持としての役割を持つ
②棘上筋は前方線維の作用が強いことが考えられ、停止部は上腕骨大結節上面の前方、また21%は小結節まで付着することがある
③棘下筋は斜走線維の作用が強いことが考えれ、停止部は上腕骨大結節上面の後方まで付着する
④以上のことから、棘上筋は屈曲・棘下筋は外転時にも筋活動が高まる可能性が考えられる
いかがだったでしょうか😄
今回の記事では、”知ったことで劇的に臨床が変わる!”といった内容ではないかと思いますが、
頭の片隅にいれておくことで、整形外科的テストや腱板筋の評価の解釈に役立てていただけたら幸いです。
今後も皆様に少しでも有益な情報をお伝えしていきたいと思います🤓