上部交差症候群の病態と運動療法

今回は姿勢異常との関連をもつ上部交差症候群(Upper crossed syndrome:UCS)の病態とそれに対する有効な運動療法の紹介をさせていただきます。

 

上位交差症候群とは

 

UCSは姿勢の逸脱(頭部と肩の前方姿勢、胸椎後弯の増加)と共に、(特に首、体幹、肩甲挙筋の)筋活動パターンの変化と動作パターンの変化(肩甲挙筋障害)を指す異常姿勢のことを指します1-2)。

またこれらの変化は、頭、首、肩、背中上部に様々な筋骨格系の症状を引き起こす可能性が示唆されています2-4)。

※外来介入していると診断がつくような病状じゃなくとも、UCSかな?と思う症例はたくさんいます。

Moore はUCSでは背側の僧帽筋上部と肩甲骨挙筋の緊張は、大胸筋と小胸筋の緊張と交差するため、頸部深部屈筋や僧帽筋中部および下部、菱形筋の弱化が交差する病態である5)と述べています。

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 ではUCSにはどのような介入方法とその介入の効果があるのでしょうか?

上位交差症候群に対する介入

現在、UCSに対する介入では運動療法が主流となっています 6。

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UCSを有する男性24名(18~28歳)を対象とした包括的矯正運動プログラムの有効性を評価した研究では、8週間の包括的矯正運動プログラムの実行が効果的であり、筋活動のアンバランス(僧帽筋上部抑制・前鋸筋/僧帽筋下部促通)、動作パターン、アライメント改善が期待でるといわれています。

また、 4週間の脱トレーニング(包括的矯正運動プログラムを行わない) 後も維持されたこともあり、神経筋の再トレーニングの効果が持続することが示唆されています。

こちらで紹介させていただいた報告では運動プロトコルの期間は 8 週間で、週に 3 セッション、各セッションは約 1 時間実施しています。

各運動セッションは10 分間のウォームアップ活動で始まり、5 分間のクールダウンで終了し、すべての運動は監督下で行われています。

また参加者はセッション以外に自宅での運動は行いませんが、悪い姿勢を維持することを避けることは十分説明したうえで日常的に良姿勢を意識していただくよう伝えています。

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