肩甲下筋の付着部周囲~up date~

みなさんこんにちは。志水です(@echohuku)

今回の記事では肩甲下筋の付着部と、その周辺の軟部組織について説明していきます!

また、肩甲下筋の付着部でもある
小結節についてはエコーを用いて、「形」についても触れています。

この「形」というのはエコーを使って肩甲下筋の状態(損傷の有無)を評価をする時も重要ですが、肩甲下筋の付着部を触るうえで無くてはならない知識になります。

肩甲下筋の付着部を詳細に知るということは、腱板損傷(主に肩甲下筋腱損傷)の予後や臨床推論においても大切になりますので、しっかりと理解していきましょう!(予後などについては今後の記事で説明していきます)

この記事はこんな人にオススメ

🔻肩関節について苦手意識を持っている人
🔻肩甲下筋(SSC)の停止部が「小結節」だけだと思ってる人
🔻肩甲下筋と上腕二頭筋長頭腱の関係がわからない人

 

これを見て、「??」

 

となる気持ちはわかりますし、

 

「肩関節は苦手だし、細かい停止なんて覚えれない!」

と、思う気持ちもわかります。

ただ、
軟部組織の付着部というのはその組織の役割を理解する上でとても重要になります。

つまり、知っているかどうかで
臨床での疑問を解決できるかもしれません。

この記事はそれほど長くないので、ちょっとだけ頑張りましょう。

また、記事の最後には「誰でもわかる」小結節と肩甲下筋の関係性にについての動画を準備していますのでぜひご覧ください(^^)

 

では、本題に入っていきたいと思います!

 

肩甲下筋の付着部

肩甲下筋の付着部はどこでしょう?

「起始:肩甲下窩→停止:小結節」

と思いますよね?

ただ、肩甲下筋をしっかりと学ぶのであればそれだけでは不十分です。

ですが、まずは基本的な情報を知らないと話になりませんのでこちらを見ていきましょう!

起始:肩甲下窩
停止:小結節
支配神経:肩甲下神経(C5・C6)
作用:肩関節の内旋・内転
~参考~
・坂井建雄; 松村譲兒 (監訳): プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系. 第3版, 医学書院, 東京, 2017 Jan
・林典雄:運動療法のための機能解剖学的触診技術 下肢・体幹 改訂第2版.MEDICAL VIEW,2012

と、オーソドックスな肩甲下筋についての知識はこれぐらいで良いと思います。

停止部(付着部)

小結節の付着部は『小結節』

と、前述しましたが、これだけでは今回の場合は不十分です。(間違いではないですが…)

現在は、肩甲下筋の付着部は小結節だけでなく
小結節の上方および下方に広く分布するとされています。

そして、小結節の上方に「舌部」といわれる部分があるのですが、
この部分は肩甲下筋腱最頭側部と連続し「樋構造(といこうぞう)」を形成し、上腕二頭筋長頭腱の前下方を安定化させる。

  Arai, R., Mochizuki, T., Yamaguchi, K., Sugaya, H., Kobayashi, M., Nakamura, T., & Akita, K. (2010). Functional anatomy of the superior glenohumeral and coracohumeral ligaments and the subscapularis tendon in view of stabilization of the long head of the biceps tendon. Journal of Shoulder and Elbow Surgery, 19(1), 58–64. https://doi.org/10.1016/j.jse.2009.04.001

この研究結果で驚くところは

上腕二頭筋長頭腱(LHB)の深層を肩甲下筋が支えている構造となっているということです。

舌部が上関節上腕靭帯(SGHL)と共同してLHBを支持する(支える)ことがよく分かるかと思います。

つまり、この構造によってLHBは結節間溝部分とその上方で安定しているということが考えられます。

そして、このLHBを安定させる機構である"Biceps reflection pulley"(pulley system)というものがあるのですが、簡単に説明したいと思います。

Biceps relfection pulleyとは
🔻烏口上腕靱帯
🔻上関節上腕靭帯
🔻棘上筋腱
🔻肩甲下筋腱舌部

上記の4つにより構成され、LHBを結節間溝部分で安定させる機構のことである

Werner, A., Mueller, T., Boehm, D., & Gohlke, F. (2000). The Stabilizing Sling for the Long Head of the Biceps Tendon in the Rotator Cuff Interval: A Histoanatomic Study. The American Journal of Sports Medicine, 28(1), 28–31. https://doi.org/10.1177/03635465000280011701

これがあることで
「LHBが関節上結節から結節間溝に向かい際に急に向きが変わる形態」をしていても
脱臼しないようになっていると考えられます。

ということは

このBiceps reflection pulleyが破綻することでLHBは脱臼・損傷することになるわけです。

そして、この内側に脱臼し、肩甲下筋が損傷するとpulley lesionのtype3となります。

『pulley lesion??』

『type3??』

と、思われるのもごもっともですが、ココに関してはさくっと説明しますね。

pulley lesionは名前の通りpulleyが損傷(lesion)するわけですが、pulleyは
・烏口上腕靱帯
・上関節上腕靭帯
・棘上筋腱
・肩甲下筋腱

で構成されましたよね。

そして、この構成体(pulley)の損傷パターンが4パターンあるとされます。

Habermeyer, P., Magosch, P., Pritsch, M., Scheibel, M. T., & Lichtenberg, S. (2004). Anterosuperior impingement of the shoulder as a result of pulley lesions: a prospective arthroscopic study. Journal of Shoulder and Elbow Surgery, 13(1), 5–12. https://doi.org/https://doi.org/10.1016/j.jse.2003.09.013

pulley lesionは肩前上方部痛の一因として挙げられ、

特に水平屈曲や屈曲位の内旋(3rd 内旋)強制によって前上方インピンジメントが生じると考えられます。

なんとなくでも知っておくといいでしょう。

最後に、小結節の形と肩甲下筋の付着についてのエコー解説をご覧になっていただき、この記事を終わりにしたいと思います

ココから先はGHLクラスへの登録すると閲覧できます。

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について
おすすめの記事