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今回は大結節の基礎といったテーマです。
大結節は肩に対する介入や肩に関する解剖学を理解する上で絶対に必要と言っても良いくらい重要な骨指標となります。
こう思った方は、絶対にこのさきを読んだほうが良いです。
「おっ!それは知らなかった…」
と思う知識がたくさんあること間違いなしです❗
では本題に入っていきます。
大結節とは
大結節(Greater tubercle:GB)は上腕骨の上腕骨頭(Humeral head)の前内側と後外側にある骨隆起のうち、後外側に位置するものを指しています。
そして、前内側に位置しているのは小結節(Lesser tubercle:LT)です。
また、大結節は解剖学的肢位(肩関節下垂位・内外旋中間位、肘関節伸展位(0 °)前腕回外位(手掌が正面))では外側を向きます。
そして大結節には腱板(回旋筋腱板:Rotator Cuff)が付着するとされています。ちなみに、大結節と小結節の間に存在するものは"結節間溝"と呼ばれ、その間を上腕二頭筋長頭腱(Long head of Biceps tendon:LHBT)が走行します。
では、ここで簡単に腱板の復習をしましょう。
肩の腱板は4つありますが、その中でどの筋が付着するでしょうか?
大結節に付着する腱板
棘下筋
小円筋
大結節に付着する筋はこの3つですよね。
『大結節に付着する』
いったい、大結節のどこに付着するのでしょうか?
この付着、つまり腱板の付着部に関しては大結節の形状を理解しないといけません。
大結節は3面ある?
大結節には3つの面があるとされています。
中関節面:Middle facet
下関節面:Inferior facet
それぞれがどの位置に存在するかはこちらをご覧ください
よく書籍で見かける大結節の3つの面のシェーマ(図)はこのようになっていると思います。
しかし、上のシェーマでは面と表現しているのにも関わらず「線」で示しています。
そこで、しっかりと"面"で表現しているものを紹介します
Nozaki, T., Nimura, A., Fujishiro, H., Mochizuki, T., Yamaguchi, K., Kato, R., Sugaya, H., & Akita, K. (2015). The anatomic relationship between the morphology of the greater tubercle of the humerus and the insertion of the infraspinatus tendon. Journal of Shoulder and Elbow Surgery, 24(4), 555–560. https://doi.org/10.1016/j.jse.2014.09.038
この論文では今までの上面・中面・下面を異なった表現の仕方をし、さらには新しい面の紹介をしています。
面の異なった表現
そして、今までに表現されていない外側面(Lateral impression)の紹介をしています。
ということでこちらのシェーマをご覧ください。
このようにエリアで表すと、腱板の付着のイメージがしやすいかもしれないですね。
外側面は最上面と中面の間を埋めるように位置するとされています。
そして、重要なのは右図を観ると、外側面は大結節の外側に位置していることです。というのも、今までの線で表現していた大結節の面のイメージでは、わりと上部にそれぞれの面が位置しているようにみえます。
しかし、実際は外側までそれぞれの面が位置(分布?)していることがこの研究ではわかりました。
そして、その外側まで伸びた先が、今まで言われてこなかった外側面(Lateral impresson)といったものになります。ちなみにですが、この研究の中では71(n=71)の上腕骨を用い、「外側面がどれくらいの割合で存在するのか?」といったことを調査しています。
そして、全ての骨に外側面を認めたとされています。
ですので、この外側面のことはみなさんも知っておいたほうが良いかもしれないですね。
まとめ
どうだったでしょうか?
大結節ひとつとっても結構奥が深いですよね。
そして、この知識は別記事で紹介する腱板の付着を理解するには必須となってきます。
しっかりと覚えておいてくださいね〜😁
みなさんへ
院内で使ってもいいですし、セミナーで使っていただいてもいいです。
ただ、オススメはSNSでのアウトプットです。
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参考文献
1.伊藤隆著. (2001). 解剖学講義. In 改訂2版 / 高野廣子改訂. 南山堂.
2.信原克哉:肩-その機能と臨床,第2版,医学書院,1987
3.Schünke, M., Schulte, E., & Udo Schumacher著 足立和隆 坂井建雄, 松村讓兒 監訳. (2011). 解剖学総論/運動器系. 医学書院.