肩甲上腕関節の可動域の測定方法

志水
どうもっ!志水です
今回は僕が肩の臨床において絶対に外せない肩甲上腕関節の可動域について書いていきたいと思います。

以前Twitterでこのような投稿をしました↓

画像1

正直なところ、僕は臨床の3年目まではほとんど肩甲上腕関節しかみてなかったと言っても過言じゃないくらい、この肩甲上腕関節の可動域を重要視していました。

今では肩甲胸郭関節や胸郭、脊柱、骨盤(股関節)まで着目する部分は広がってはいますが、それでも肩甲上腕関節の可動域はやはり重要であると考えています。

今回の記事では肩甲上腕関節の可動域を測定する理由、そしてその考え方、実施方法について紹介していきます

 

ということで、さっそく本題に入っていきますね。

 

結論

と、本題に入ってすぐですが
肩甲上腕関節の可動域を測定するの理由を最初に述べます

 

僕が肩甲上腕関節の可動域評価にこだわる理由は…

制限因子をシンプルに考えるため

です。

 

といっても、よくわからないと思いますので、一つずつ説明していきたいと思います。

まずはこちらご覧ください。

画像2

屈曲動作ですが,あきらかに『制限』をみとめていますよね?

これを見て,どこが「制限因子」となるかわかるでしょうか?

もっと簡単に言うと…
"硬さ"が制限であるとすれば,どの関節が"硬い"と思いますか?

挙上に関わる関節としては

・肩甲上腕関節
・肩甲胸郭関節
・胸鎖関節
・肩鎖関節
・2nd関節
・C-C mechanism

といったものが挙げられますが、ここで重要となるのは以下の2つだと考えています。

ポイント
・肩甲上腕関節(Glenohumeral joint:GH)
・肩甲胸郭関節(Scapulothoracic joint)

なぜこの2つが重要かというと、
肩関節の動きの大半は肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節によって遂行されるからです。

例えば、(先程の挙上制限があった人の)肩甲骨を固定した状態で挙上動作をしてみます。

まだイメージができないと思いますので,こちらをご覧ください.

画像3

こんな感じです。

この画像では、

肩甲骨を固定していない状態(非固定下)での挙上は90°程度ですが
肩甲骨を固定すると(固定下)約30°しかありません。

この結果からどのような解釈をするかと言うと…

肩関節複合体(全体)での可動域=約90°
肩甲上腕関節での可動域=約30°

となります.

次に考えるのは『治療対象はどこなのか?』

ということになりますが…

ここできっとこう思いますよね?

肩甲上腕リズムのことを考えると…
肩関節の屈曲は180°
肩甲上腕関節が120°で肩甲胸郭関節が60°,
この人は30°しか屈曲できてないから「120°-30°」だから約90°の制限が肩甲上腕関節にあるんだな!
そう考えると,"肩甲上腕関節"と"肩甲胸郭関節"の両方にアプローチする必要がある!

これは…

「半分正解」で「半分不正解」です.

正解部分は
肩甲上腕関節・肩甲胸郭関節両方にアプローチすること』という点です.
「器質的な損傷・解剖学的な破綻」が無いにも関わらずこのような挙上の仕方をしている場合は,ほぼ間違いなく肩甲上腕関節に拘縮が生じています.

となると代償性に肩甲胸郭関節を動かさなければいけませんよね?
画像をみてもわかるように肩甲帯が挙上していますし,そうなると僧帽筋や肩甲挙筋などの過剰収縮も頻回に認められます.

そして肩甲骨の上方回旋の制限因子にもなってくる…
ということで,その点を改善させるためにも肩甲胸郭関節に対するアプローチも合わせて行っていく必要があります.

不正解の理由は"2つ"あります。
肩甲上腕関節での屈曲の正常値は約90°なので,肩甲上腕関節での可動域制限は90°-30°で約60°あると考えられます.

①そもそも挙上角度は180°ではない ※1~3)
②肩甲上腕関節での挙上は120°もない※1.2.

 

ちなみに…
①挙上角度が低い報告だと150°,高くても170°程度
②屈曲だと約90°,外転だと約100°程度

このことを全く知らない方もいたかと思いますが事実です.
そして,臨床の中で肩甲骨を固定して角度を測るとだいたい同じくらいです.

で,ここからが最も大事なのですが
『肩甲上腕関節の可動域を測ることで,どの軟部組織が問題になっているかどうやって見極めるの?』

ということです。

この見極め方を知っていれば,さっきのような挙上をしている人を見た瞬間に…

〇〇靭帯
〇〇筋
に問題が生じている可能性がある。

ということがすぐにわかるようになります.

テクニック的な部分はもちろん必要になるので練習が必要ですが,知識の面はすぐに理解できます.

ここからは

・制限因子の特定
・評価方法

についてお話していきます.

制限因子の特定

ポイントはこれです.

画像4

これ,メチャクチャ重要になります.

どのエリアになにが位置するかは
こちらをご覧ください。

画像16

次に、【どのエリアの組織が問題か?】を鑑別するか際に必要な"考え方"を説明していきます.l
※ここで『問題』と表現するものは,伸張性の低下・柔軟性の低下と捉えてもらえば良いです.

それに必要な知識は『前額面』『矢状面』『水平面』での関節運動に伴い,軟部組織がどのような状態になるか?ということです。

言葉だけじゃわかりづらいので画像で説明します.

まず前額面です.

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これは肩を後方からみた骨模型です.
「内外転軸」を中心に【上下】に軟部組織があると仮定します.

ニュートラルの状態(肩甲骨面挙上45°)を上下の組織の緊張が均等だと考え…

そこから…
【内転】すると軸の上方にある組織が伸張され,下方にある組織は弛緩します.

反対に…
【外転】すると軸の下方にある組織が伸張され,上方にある組織は弛緩します.

次に矢状面です.

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側面(外方)から見た模型です.

今度は「屈・伸軸」を中心に【前後】に軟部組織があると仮定します.

【屈曲】すると軸の後方にある組織が伸張され,前方にある組織は弛緩します.

【伸展】すると軸の前方にある組織が伸張され,後方にある組織は弛緩します.

最後に水平面です.

画像8

上方から見た骨模型です.

今度は「内・外旋軸」を中心に【前後】に軟部組織があると仮定します.

【内旋】すると軸の後方にある組織が伸張され,前方にある組織は弛緩します.
【外旋】すると軸の前方にある組織が伸張され,後方にある組織は弛緩します.

どうですか?

スゴく"シンプル"な考えじゃないですか?

じゃあ問題を"3つ"出します😁

Q1.【下垂位内旋位】ではどのエリアの組織が『伸張』されるでしょうか?

A1.後上方です

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前額面でまず考えると,
45°挙上位から内転すると上方が伸張されます.

そして内旋すると後方が伸張されますよね?

なので,『後上方』となります.

次の問題です.

Q2.【90°屈曲位内旋】ではどのエリアの組織が『伸張』されるでしょうか?

答えは

A.2後下方です

画像10

矢状面でまず考えると,
屈曲すると後方が伸張されます.

そして内旋すると後方が伸張されます.

「ん?後方+後方になるぞ?」

と思いましたか?

そうですよね。

屈曲は『基本的』に前額面での動きではないので戸惑いますよね…

ただ、このときの考え方としては単純に,"腋窩のスペースがひらけば下方の組織が伸張される"と考えてくださいといことで,下方も伸張されていることになり答えは,

『後下方』となります.

では最後の問題ですが…

Q3.【90°外転位外旋】ではどのエリアの組織が『伸張』されるでしょうか?

答えは

A3.前下方です

画像11

前額面でまず考えると,
45°挙上位から内転すると下方が伸張されます.

そして外旋すると前方が伸張されますよね?

なので,『前下方』となります.

例題を3つ出しましたがどうでしたか?

イメージはつかめたでしょうか?

正直、1度で理解できなくても大丈夫です.

臨床に出ている先生は,患者さんの評価・治療をしながら何回も何回も考えれば自然と覚えます.

学生さんは,イラストを見ながら覚え,考えてみて下さいね.一番はクイズを出し合うのが良いです😁

評価方法

ここも当然重要になるのですが,結構難しいところです.

そしてコレに関しては文章やイラストより動画のほうがわかりやすいと思いますので、こちらをご覧ください.

【肩甲骨の固定方法(座位)】

ここからは背臥位での『肩甲骨固定方』となります。

正直、座位ではわかることは限られます。

・痛みの訴えが強い場合は他動での評価が困難
・力の入りやすい場合も同様に困難
・非対称のアライメントであると規定が困難

今回の評価のポイントは『軟部組織の伸張性の制限因子』を探ることとなるので、できるだけ力が入らないことが重要です.

次の最後の"動画"では測定する際の
手の置き方はもちろん、操作時のポイントや肩甲骨を固定しない場合に生じやすい代償。

そして一番は…
私が臨床で経験した中で
『肩甲骨を固定した場合の"可動域"はどれくらいか?』という数値を、私見ではありますが紹介しています。

一番重要な部分が会員限定となってはいますが、明日からの臨床に活かせることは間違いないことは保証します。

ぜひ、検討して下さい。

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