
みなさんこんにちは、肩関節機能研究会 研究生の佐藤雅文です😄
(Twitter⇨@masagaze、Instagram⇨@masafumi_s_)
今月の無料記事では、結帯動作における”肩関節伸展”に着目して考えていきたいと思います。
その前に…!!
結帯動作の概要、簡潔に評価する方法、介入のターゲットとして有名な棘下筋・菱形筋については、郷間先生が非常にわかりやすくまとめてくださっているので、まずはこちらの記事をチェックしてみてください😊
また肩甲上腕関節や肩甲骨の動きについては、研究生の老月さんがわかりやすくまとめてくれた記事もありますので、気になる方はぜひこちらもご覧ください( ´ ▽ ` )
上記のように結帯動作について言及した記事はすでにありますが、
私個人としては、肩関節伸展可動域の重要性を日々の臨床で感じているので、この辺りのお話しをしていきたいと思います。
・肩甲上腕関節由来の制限が強い方に難渋している
結帯動作の評価方法
まずは簡単に評価方法について振り返ってみます。
先ほどご紹介した記事にもある通り、
結帯動作においては、肩甲上腕関節は伸展・内旋角度が大きく要求されると言われ、
特に①初期(下垂位〜尾骨)は肩甲上腕関節の動きが著明に認められるとも報告されています。
本田俊介,立花 孝,西川仁史・他:結帯動作について Motion Captureを用いた3次元的解析.理学療法学,31:p513, 2004.
実際の臨床場面においては②肩甲骨を固定させた状態での動作評価も合わせて行うことで、肩甲骨の代償を防ぐことができるので、
評価に慣れていない方でも比較的簡便に肩甲上腕関節にフォーカスした評価を行うことができるかと思います🤓
肩甲上腕関節 伸展評価
肩甲上腕関節の影響が大きいと判断できたら、肩関節伸展、伸展+内旋を評価していきます。
伸展+内旋については棘下筋の関与が代表的であり、郷間先生のこちらの記事で言及しているため、今回の記事では割愛させていただきます。
肩関節伸展の評価は、写真のように側臥位にて行なっていきます。
この際、肩甲骨の代償動作を防ぐため、肩甲骨の固定を行います。
肩甲骨は前傾方向に代償運動が出現しやすいため、後傾方向に誘導するようなイメージで抵抗を加えるとうまく固定がしやすい印象を持っています。
伸展角度はなぜ重要であると考えるか?
それではこの記事の本題に入ります😎
結帯動作は肩伸展や内旋角度が大きく要求されるとお伝えしましたが、
肩関節伸展では前方組織が伸張されており、その中には上腕二頭筋が含まれます。
なぜ上腕二頭筋に着目したかというと、日常生活で結帯動作を用いる際には肘関節屈曲位・また肘屈曲位での活動(洗体・エプロン・背中をかく)が多く見られるからです。
実際の評価場面のような結帯動作では脊柱を沿うように行うことが多いかと思いますが、日常でそのような結帯動作のみで完結することは少ないかと思います。
実際には肘屈曲位を保持したり、屈曲位の状態で力をいれながらエプロンを結んだり体を洗ったりする場面、すなわち上腕二頭筋の収縮が強く要求される場面が考えられます。
その際は肩関節前方に圧縮ストレスがかかることが考えられますが、仮に上腕二頭筋の伸張性や肩伸展可動域が担保されていないと、さらに肩前方へ圧縮ストレスが増加し、前面部痛や違和感の出現へと関与するのではないかと考えています。
今回の記事では割愛しましたが、肩伸展+内旋動作の際も肩伸展角度が担保されていないことで、同様に前方部へのストレス増加が考えられます。
ただ、あくまでも制限因子の一要素のため、仮説を立てる際の参考していただけたらと思います😊
本記事のまとめ
結帯動作において…
✔️肩甲上腕関節の制限が強いと判断できた際は、伸展、伸展+内旋角度の評価・介入は重要であると考えられる。
✔️日常生活では肘屈曲位の保持・屈曲位での活動(洗体・エプロン・背中をかく)が多く、伸展角度・上腕二頭筋の伸張性の担保は重要であると考えられる。
✔️評価・介入ともに肩甲骨の代償を防ぎ、肩甲上腕関節にフォーカスすることが重要である。
参考文献
本田俊介,立花 孝,西川仁史・他:結帯動作について Motion Captureを用いた3次元的解析.理学療法学,31:p513, 2004.
参考記事
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