
こんにちは。
肩関節機能研究会の郷間(@FujikataGoma)です。
今回は肩甲骨運動の中でも少しマイナーな言葉『ショックアブソーバー』について解説していきたいと思います。
『ショックアブソーバー』という言葉自体をはじめて聞いた方も多いのではないでしょうか?
横文字はなんだか難しいイメージを持ってしまいますよね。
ですが今回お話しする内容は、意外と知られていないけど理解するだけでも肩治療の幅が一気に広がる重要な肩甲骨機能になりますのでぜひ覚えてみてください(^-^)
ショックアブソーバーとは
『肩甲骨の衝撃緩衝作用』
これならなんとなくイメージが付きますね。
ショックアブソーバー=衝撃緩衝作用というイメージを持っていただければ概ね問題ありません。


車に詳しいならイメージつきやすいですが、車のことを詳しくない人には少しイメージするのが難しいですね。
ではこれならいかがでしょう。

乗る部分(青丸)が上腕骨
バネ(赤丸)が肩甲骨
地面(緑丸)が胸郭です。
もうばっちりですね!
もし、赤丸の肩甲骨(バネ)が無かったら...
考えるだけでも衝撃強くて痛そうですよね。
では実際に上肢でショックアブソーバー機構を利用した動きと利用しない動きをみてみましょう!
このように比較してみると一目瞭然ですね!
先程ホッピングに例えて上肢のショックアブソーバーを解説しましたが、この動画をみると床(胸郭)が硬すぎても床反力(衝撃)が強いでしょうし、肩甲骨の安定性がなくてもぐらつきが生じるので上肢帯のMobilityとStabilityのバランスが重要であることも伺えますね。
ショックアブソーバー機能に必須な筋肉
そもそも肩甲骨周囲にはどのような筋があり、どのような機能を担っているのでしょうか?
これらは肩甲骨運動の主を担う筋肉ですね。
他にも腱板筋群や烏口腕筋や上腕二頭筋、上腕三頭筋長頭、広背筋、大円筋なども肩甲骨に付着しますよね。
このあたりは今回のテーマから少し脱線してしまうので、本記事の最後にリンクしてある『合わせて読みたい記事』をご覧ください(^-^)ノ
では、これらの筋肉の中で円滑な”ショックアブソーバー機構”を遂行する上で最も重要な筋肉は何筋になるでしょうか?
おそらく前鋸筋になると思います。
理由は前鋸筋の主な作用が肩甲骨外転運動であるからです。
前鋸筋=肩甲骨外転作用
ここはみなさん授業でも教わっている内容ですね。
ですが本記事ではもう少し掘り下げていきたいと思います。
五十嵐絵美:肩甲挙筋,前鋸筋,菱形筋の機能解剖学的研究(2008)
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902277377578426
中部筋束
下部筋束
前鋸筋は肩甲骨と胸郭の間に走行していて、運動中に直接触知することは困難ですよね。
出典
林典雄:運動療法のための機能解剖学的触診技術 上肢 改定第2版 メジカルビュー社
しっかりと大菱形筋の触知しながら肩甲骨の外転運動を行うことができればおそらく前鋸筋も上手く促せているかもしれません(^-^)ノ
ここで私が普段臨床で行っているショックアブソーバーの漸増負荷訓練をご紹介します。
▪慣れてきたら遠心性収縮を重点的に行う。
▪無負荷、自重、反動などバリエーションを持たせる。
では最後になりますが実は以前Twitterでもショックアブソーバーについて投稿していますので確認してみてください✨
Twitter界の諸先生方とのディスカッションも参考になるかと思います(私は非常に勉強させてもらっています)!
『ショックアブソーバー機構』
— 郷間光正@理学療法士 (@FujikataGoma) December 14, 2020
みなさんは肩甲骨(肩甲胸郭関節)の機能の中に
ショックアブソーバーというものがあることをご存じですか?
肩甲骨は周囲の筋肉とともに”バネ”の働きをして衝撃緩衝を担っています。
反復性肩関節脱臼の方は
肩甲胸郭関節が使えていないことが多い印象です(^-^;💦 pic.twitter.com/zXDWfUUKor
もうイメージばっちりですよね!
ショックアブソーバーは普段馴染みの無い言葉ではありますがぜひ今後の臨床に活かしてみてください(^-^)ノ
下に合わせて読んでいただきたい記事もリンクしてありますので是非ご一読ください👍
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以上、藤沢肩関節機能研究会 郷間でした(^ ^)
