

こんにちは。
肩関節機能研究会の郷間(@FujikataGoma)です!
今回は肩甲上腕関節の基本的な解剖とその特徴について簡単にまとめました。
この記事の内容は学生さんや肩関節の勉強を始めたばかりの若手セラピストさん向けの内容です。
普段から肩関節治療に携わっておられる先生方には少し簡単すぎるかもしれませんが、復習と思って読んでいただけると幸いです。
肩関節の構造
肩関節は上腕骨、鎖骨、肩甲骨、胸郭によって構成される関節です。
その中でも、皆さんが最初にイメージする『肩関節』は上腕骨と肩甲骨からなる『肩甲上腕関節』ですよね。
この肩甲上腕関節はいわゆる”狭義の肩関節”に分類されます。
そうです。
狭義があるということは広義もあります。
狭義と広義はコチラ⇩
広 義(こうぎ):広い語義。
ある言葉が示す意味の範囲に広狭がある場合の、広く解釈したほうの意味。引用:Wikipedia
狭 義 (きょうぎ):狭い語義。
ある言葉が示す意味の範囲に広狭がある場合の、限定的に解釈したほうの意味。引用:Wikipedia
広義の肩関節とは?
狭義の肩関節=肩甲上腕関節があるということは、もちろん広義の肩関節もあります。
では皆さんに問題です。
広義の肩関節には何関節があるでしょうか?
意外と全部答えられる人は少ないんです。
折角の機会ですので、答えを見る前に頭の中で思い出してみてください!
答えはコチラ⇩⇩
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答えは
②第二肩関節
③胸鎖関節
④肩鎖関節
⑤肩甲胸郭関節
⑥烏口鎖骨機構※
となります。
※烏口鎖骨機構は入れる先生と入れない先生がいらっしゃるので、正式なものではないとも言われていますが、烏口突起と鎖骨を結ぶ円錐靭帯や菱形靭帯はとても重要な機能を担っていますので私は烏口鎖骨機能も広義の肩関節に含めて肩関節と考えています(^-^)
肩関節と股関節の違い
肩関節(肩甲上腕関節)と股関節は一見すると似た構造に見えますが、似て非なる関節です。
大きく異なる点は
股関節は骨頭に対して関節窩が大きい
という点です。
肩甲骨関節窩の特徴
肩関節(肩甲上腕関節)の関節窩と骨頭のサイズはこんな感じです。
関節窩横径 26.1±2.4mm
上腕骨骨頭直径 平均 41mm
明らかに骨頭が大きいですよね(^-^;
では、骨頭に対して受け皿(関節窩)が小さいとどのような利点・欠点があるのでしょうか。
肩の「骨」構造の利点・欠点
スライドの写しになりますが...
利点:人体で最も大きな可動域
手を広い範囲で自由に使える
欠点:一番脱臼しやすい
皆さんはこの利点と欠点をどのように捉えますか?
ひとつ言えることは、一見優秀(広い可動域)な関節にみえますが、骨構造による安定化機能だけではとても頼りない関節なんです。
そのため、肩関節は骨以外の要素で腕を支えなければいけません。
そうです、“靭帯”と“筋肉”です。
※追々、肩関節第三の安定化機構というものについてもお話ししていきたいと思います。
肩関節治療の考え方
肩関節の場合、疾患や骨構造だけでは病態は捉えられません。
なにせ不安定な関節ですからね...
拘縮した場合も、骨構造だけを考えても答えはなかなか見つからないと思います。
肩関節治療を考えていく際は機能や軟部組織を中心に考えてみましょう!
きっと何か新しいヒントが隠されているはずです✨
今後も皆さんに有益な情報がお届けできるよう尽力いたします!
以上、肩関節機能研究会 郷間でした(^ ^)
